本書は、タイトルが示すように外科疾患のメカニズム、すなわち各疾患の病態発生について解説している。そのため、外科の手術手技について書かれたものではない。編者であるBojrab氏の序文によれば、“CURRENT TECHNIQUES IN SMALL ANIMAL SURGERY”の姉妹編という位置づけらしい。“CURRENT TECHNIQUES IN SMALL ANIMAL SURGERY”は手術方法を解説した本であるが、本書は手術以前に知っておくべきこと、それぞれの外科疾患と向き合うポイントをエビデンスに基づいてまとめたものである。臨床経験の浅い獣医師が基礎と臨床を結びつけて考えるのにちょうどよい内容であるし、臨床で遭遇するほとんどの疾患が網羅されているので、外科手術を頻繁に実施していない施設でも手元に1冊あればインフォームドコンセントの際に重宝すると思われる。